2022.03.11
地域の人が守ってきた神社を大切に
佐藤永周さん(38歳)

棚田キャンプの近くにある石神(イシガミ)神社は、国常立命(クニトコタチのミコト)をお祀りし、集落をお守りされています。石神神社は牛神(ウシガミ)様とも呼ばれ、牛馬を育てる農業者や酪農家のみなさんから親しまれています。棚田キャンプでは、駐車場、トイレや水場として使わせていただく神社ですが、神社と棚田との関係について天岩戸神社の宮司でもあり、石神神社の宮司を兼務されている佐藤永周さん(以下、永周さん)にお話しをお聞きしました。

石神神社とは

石神神社は前述の通り「牛神様」の愛称で親しまれており、牛馬を扱う畜産業などの方から信仰を集めています。昭和の初めまでは、野方野神社(大平地区の隣に野方野地区という地区がある)という名前で登録されていたそうです。

御祭神は、国常立尊(クニトコタチのミコト)様という神様で、日本書紀に登場するこの世ができた時(天地開闢)の際に現れた天神7代のうち1柱の神様です。国土生成の中心的な神様で、名前の通りこの集落やこの国そのものを支えてくれている神様です。 

天岩戸神社と石神神社

石神神社は、天岩戸神社の宮司の永周さんが兼務して宮司を務められおり天岩戸地区で他に4つの神社で同様に兼務されています。その兼務している神社を「天岩戸5社」と呼び、多くの方が一日かけて5社を参拝されます。なぜ「天岩戸5社」として参拝されるようになったのか伺うと「天岩戸5社は、それぞれ岩戸地区を囲むように点在しています。そして開運(天岩戸神社)、五穀豊穣(石神神社)、風除け(鉾神社)、子孫繁栄(落立神社)、勝負事(二獄神社)にご利益ある神社となっており、人々が生活する上でとても大切なこととなっています。囲むように点在しているのでこの地をお守りしているようにも見えますし、そこから天岩戸5社として参拝するようになったのではないでしょうか。この石神神社もこの天岩戸一体をお守りする神社としてこの地に鎮座されたのではないかと考えます。」と話されました。

尾戸の口の棚田の由来

ところで、棚田キャンプを行う尾戸の口の棚田の由来も、神話に登場する「小戸の阿波岐ヶ原」から来ていると言われています。天岩戸神楽の中でも、天岩戸開きをモチーフにした「戸取(ととり)」という舞がありますが、これは手力男命が天岩戸を投げ飛ばし天照大御神に岩屋戸から出て頂くお話で、この話の中で手力男命が投げ飛ばした岩戸が、「小戸の阿波岐原に飛んでいった」と言われ、これは天岩戸神楽の中ではこの大平地区の崖下の河原に投げたという話も存在します。そこは現在も「小戸の阿波岐ヶ原水神」として祀られていまおり、こういった神話と現在の地名が多く結びついていることも高千穂ならではなのではないでしょうか。

棚田を利用される皆様へ

天岩戸神社の宮司の佐藤永周さんは、棚田を利用される方へこう話されます。

「神社も棚田も先人たちが大切に守ってきた場所であります。感謝の気持ちを忘れず、大切にキャンプを楽しんでもらえたら先人たちも神様もお喜びになると思います。」

地域の守り神として、鎮座する石神神社。季節ごとに地元の人がお祭りを開催し、地元の人で手入れをし、大切にしている地元の神社です。利用の際はぜひ先人や高千穂の八百万の神々に感謝の気持ちを忘れずキャンプを楽しみたいですね。

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